宝石のお仕事に携わったきっかけは何でしょうか？

　主人の父が宝石職人をしていて。宝石業は景気に左右されるんですけど、私が主人と結婚したときは厳しい時代でした。
　なかなか仕事がないという状況を知って、何か力になれないかなあと思うようになったことがきっかけです。

もともとのご職業は何でしょうか？

　高校卒業後、営業事務を行ったり、人材派遣会社での面接を担当したりしていました。宝石の“ほ”の字もなかったですね(笑)。
　ただ、何になりたいとかはないけど、普通はいやだという想いはずっとありました。世の中の普通がどういうものかはわからないですが、結婚して子供を産むというライフスタイルに加えて、何かをやりたいという漠然とした思いをずっと抱いていました。具体的に何というのは全くなかったですけどね。

当時の厳しい状況をどのようにして打破されたのでしょうか？

　当時の義父の主な仕事は宝石販売店からの業務委託でした。
　宝石販売店にお客様が修理やサイズ変更を依頼する、販売店はお客様から一旦宝石をお預かりし、義父に委託する、そして義父が修理やお直しをしてお客様のもとに返すというのが主な仕事の流れでした。

　しかし、義父に修理やお直しを依頼してくれていた販売店・取引先がほとんど潰れてしまったんです。宝石販売店を介するこのやり方だと宝石販売店にお客様が来ないと義父のもとにお客様は来ませんし、お客様と義父が直接関わる機会がない。だから宝石販売店等を介さずに一般のお客様に直接義父の技術を提供できる仕組みを作りたいと考えました。

　義父の作業スペースのみで看板も無かったのですが、一般のお客様とつながるためにアメブロを毎日更新する等工夫を凝らし、数字でいうと１年で年商が三倍になりました。

素晴らしい業績ですね。どのような考えを理念とし活動を行ってきたのでしょうか？

　“ハッピー＆スマイル”です。笑顔でいると幸せ、これは人の原点ですよね。宝石店とカフェで過ごす時間、宝石を通じて多くの人々に幸せと笑顔を届けたいという想いで経営を行ってきました。

そんなジュエリーイトーならではのこだわりを教えてください。

　何よりも、歴58年の職人が作っていることです。15歳から58年間同じことをやっているってすごいことですよね。経験値が多いですから。
　これだけベテランの職人が常駐しているため、簡単な修理はその場でできます。ネックレスのチェーン切れは5分、サイズ直しは2～30分。観光がてらにお客様が来ることもあります。
　また、宝石の作り方も特徴的です。鍛造製法といって、強度が強く輝きが増すものとなっています。

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