宝石とカフェ。新しすぎるこの２つの組み合わせるアイデアはどこから生まれてきたのでしょう？

　私自身ピンク色が好きなのですが、ピンク色のカフェができたらいいなというのは20歳の頃からずっと考えていました。自分が好きなものを提供できる空間を作りたい、形にしたいという想いはずっとあったんです。

　主人と結婚して宝石に関わるようになりましたが、乙女心をすごくくすぐられました。加えて、私の実家は果物屋さんで、果物に囲まれた幼少期を過ごしているという背景がありました。
　この時点で宝石とカフェがつながる要素はそろっていたんです(笑)。

　この要素がつながる大きなきっかけとなったのがコロナですね。2020年5月の緊急事態宣言で休業したときに色々考えるようになりました。特に、後継者問題です。
　職人の年齢を考えると宝石店だけでやっていくのは難しい。そんな時にある飲食店がパフェを店内飲食だけでなくテイクアウトできるようにしたというニュースを見ました。
　それを見たときにビビッときました。宝石と果物でカフェを創ろう！って。

宝石店らしい華やかなビジュアルで幅広い年代から人気を集めるビジュエルパフェ。誕生秘話を教えてください。

　2020年の6月にカフェを創ろうと思いいたってから、2020年の12月に初めてパティシエに試作してもらいました。
　味は確かにおいしい、見た目も可愛い、ただ自分が思っていたのと全然違ったんです。

　パティシエの方は自分の言葉を頼りに作ってくれていたんですけど、そこで初めて自分の中で明確なパフェの完成図ができていないと気づきました。どうしたものかと思いながら車を運転しながら帰っているときに降りてきたんです、アイデアが！(笑)。

　一回は形にしてみないと分からないですね。やってみないと分からないものってあるんですよ。

宝石×カフェ。異色の組み合わせを事業として行うことに恐れやためらいはなかったのでしょうか？

恐れはありませんでした。ためらいも。やると決めたら、思い立ったらやる性格なので(笑)。
　2020年の6月に思いついて、オープンは2021年の2月と決め、2ヶ月後には引っ越しもして、8月に宝石屋さんだけオープンしました。怒涛の期間でしたね(笑)。

　只、飲食店で働いたことがなかったので、最初は本当に大変でした。0から1を作ったんですよね。メニュー構成から全部約半年でやり切りました。
　宝石は仕入れても腐らないけど、食品は腐ってしまいます。しかも全然違う事業をやっているから勝手がわかりませんでした。お客さんが多いと思っていたら、少なくてロス、少ないと思っていたら製造が間に合わない、とか。
　今は工夫もできるようになりましたけど、最初はその部分が難しかったです。

多彩なアイデアはどこから生まれてくるのでしょうか？

　プライベートを結構楽しんでいます。昔はハーレーに乗ったりもしましたし、音楽好きなのでライブにいったり、おいしい食べ物もたくさん食べてます。行きたいと思った所にもポンといきます。
　そういう経験は仕事にかなりつながっていると思います。過去の自分が見ていないもの、経験していないものはアイデアとして出てこないですからね。

　自身の好奇心旺盛だった部分から今のアイデアが出ていると思います。ただ、仕事に生かそうと思ってわざと色々な事を経験しようと思ったわけではなく、やりたいと思ってやったことが結果的に今の仕事に繋がっているという感じです。

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