そこから常務としてどのような行動をされたんですか？

　業績が悪い事は変わっていなかったので、何かみんなで一致団結して新たに目標を立て、会社を切り盛りしていきたいと思っていました。
　しかし、目標を売上や利益、お客様の数など数値的な目標を掲げる事は、当時の社員の方々にとってモチベーションが上がる訳では無かったので、何がいいのかを試行錯誤しました。

　そこで出てきたのが「会社の経営理念をつくる」事でした。
　当時は会社の理念がなく、父の言うことが絶対という雰囲気でした。その為、この話を父である会長や専務に相談しても関心を得る事が出来なかったので、私が勝手に始めました。

実際にどのようなことに取り組まれたのですか？

　昔から支えてくれていたベテラン社員さんと、入社して間もない新人社員をミックスさせたチームを結成し、半年間かけて理念を作りました。

　このチームがTAP1期生（Toyo Advanced Project）です。この半年間が、とても好影響を及ぼすことになります。
　TAPは、1番はじめに合宿をします。この合宿がなかなかハードで（笑）

社員の方々はどんな反応でしたか？

　はじめはメンバーも「理念とは何か」や「社長がつくったものを私達に提供してくださるだけでいいです」といった反応ばかりで孤独でした。

　しかし、「「皆さんがなぜ働き、東洋商事という会社をどのようにしていきたいか」や「改めてどのような会社であれば働きたいと思えるか」「どういう会社であればご家族に自慢できるか」を言葉にしてほしい」「これを社長1人が決めるのではなく、社員みんなで決める事で全員が同じ方向を向いて進んでいきたい」という想いを伝えてスタートしました。これがTAPの原点です。

理念完成後、会社はどのように変化していきましたか？

　理念が完成した後は、会社も上向きになりました。理念をつくったことだけが利益に繋がったわけではないですが、根本には理念がある。
　この理念を創ったことで、会社の軸が出来ました。その理念をバリューに落とし込み、弊社はこのバリューを重要視しています。
　当たり前の事しか表記していませんが、この当たり前の事が日々生活していると、出来ていない事が多いと思います。

私はよく社員やアルバイトに言う言葉があります。
　「全国約1万店舗のパチンコ店の内、2店舗しか経営していない東洋商事がパチンコ業界のイメージを変えることは難しいかもしれない。しかし、東洋商事という会社のイメージを変えることはいくらでもできる。そこから自然と業界のイメージがプラスに波及していくかもしれない。その種となるような企業にしていきたい」です。

　弊社は、社員にバリューを強く求めています。

　愛の反対は無関心と言いますが、人は言われなくなったらおしまいだと思います。例えば、挨拶の仕方に違和感があるや、人との接し方に問題があるなどは言ってあげる事が愛だと思っています。
　言う側はすごく辛いし、嫌われるかもしれないという恐怖があります。
　しかし、本当にその人の事を想っているのであれば伝えてあげる。だから私は常に言うようにしています。

なぜその様に厳しく求めるのですか？

　もし仮にこの会社や私がいなくなったとしても、このバリューが出来ていれば、例え何かのスキルがなかったとしても人としては認められ、生きていけると思っています。
　だからこそ、ここに重点を置き、成長点としていきたいと考えています。

会社概要

東洋商事株式会社 【PR枠】