「どこに出しても恥ずかしくない最高の社員」を作るために

社訓を拝見して、すごく「人を大切にする」という精神が伝わりました。

　社訓を作ったのも中小起業家同友会に行き始めた頃ですね。「自分が変わらないと守るべきものも守れない」と思うようになりました。

　弊社の五つの社訓（※１）というのは、小学生や中学生でもわかる当たり前のことしか書いていないんです。
　当たり前のことができなくなりつつあるこの世の中で、人としての最低限のモラルをもっと大切にすべきだ、という思いを込めてあの五訓にしました。

　あと、18年言い続けている私の口癖があるんです。ある会合で「小さくてもいいからどこに出しても恥ずかしくない最高の社員を作る」という言葉を聞いて。これこそ私が目指すべき姿だと思いました。
　そこから社員教育にすごく力を入れて。一つの会社の中には、やっぱり会社を象徴する「強み」というのが必要ですが、弊社の「強み」を考えた時に「人」しかないと思いました。

　同じことをする業者だったら、何か他社にはない人を感動させられる仕事をしてくれる会社の方が会社にとっては満足度が上がります。
　そこで一人一人の人間力を上げて、同じ仕事をするのでも感動を与えられる会社になろうと。そう思うようになりました。

（※１）
【保崎組　社訓】
一　挨拶で始まり挨拶で終える事
一　何事にも誠心誠意を持って接する事
一　常に先を読み、予測する事
一　他人に対して思いやりを持ち、他人の痛みを知る人となる事
一　安全作業を心がけ、無事故で１日１日を終える事

人間力を向上させるためにしている取り組みはありますか？

　社員一人ひとりの背負ってるものって、違うんですよね。
　そこで弊社ではまず5年後、10年後の「自分がどうなりたいか」というビジョンを明確にさせています。

　定年になるまでの社員の人生を会社は預かっているので、その社員が幸せのなるためにまずは人間力を向上させることはとても大切だと感じています。

　そのため、弊社は「人間力が上がると給料も上がる」という給与体制です。社員や元請けが社員を評価する「評価表」というものもあります。
　成長って自分が判断するものではなく、他者から見てわからないと成長と言わないと思うので、そういった形で評価しています。

確かに「他社と差をつけるなら人間力」とおっしゃっていたので人間力がお給料に直結するのも納得です。社長として、社員に対し心がけていることはありますか？

　みんな一人ひとりが自分の人生の主人公なんです。だからこそ社員の悩み、例えばどんなに小さな悩みでも同じ目線で共有することを心がけていています。

　弊社の社員は16人いますが、毎月一回交換日記をしています。
　毎月一回の会議もあるのですが、その時にお互いの近況報告や、発言をします。しかし、なかなかみんなの前では話ができない、ということもあると思っていて。
　そこでその会議の後、何でもいいから思っていることを交換日記という形で、LINEで送ってもらうようにしています。

　その内容は小さな悩みから重大な悩みまで本当に多種多様ですが、それについて私は魔法の言葉を送ります。そうすると「社長が自分の悩みを理解してくれている」と社員も感じてくれます。
　実際にその交換日記を始めてから離職率が大幅に下がったので、社員が安心感を覚えてくれる職場になれているのかなと実感しています。

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会社概要

社名：有限会社保崎組
代表名：保崎伸一
住所：広島県広島市安芸区船越南4丁目-7-14
TEL：082-821-1234
HP：https://hosakigumi.com
事業内容：・鳶、土工工事一式(仮設足場工事) - 新築工事、改装工事、法面工事、山林災害復旧補強工事、解体工事、太陽光発電システム工事、幕工事等、土工事、仮設リース、地山補強土工事(各種アンカー工) 　・企業主導型保育事業 - natural保育園