若者へ伝えたい「自分を作る」大切さ

最後に、若者にメッセージをお願いします。

　昔、私は「自分というものはこうだ」という頑なな思いがありました。でも、実は自分自身の幅というものは広いんです。

　私は社員たちに「自分を作る大切さ」を教えます。例えばよくAB型は二重人格だ、などと言いますが、そういう二面性を持つことはとても大切で、本当の自分というものに対して、人に対して作る自分というのは作るべきなんです。
　例えば会社で幹部としている自分、家にいる自分、電話に出る自分…など、この幅が広い人ほど「表現力」が豊かです。

　二面性、三面性がある方が表現力が豊かな分、吸収力もすごいんですよね。
　だから自分を作ることって大切だし、自分を作りながら人から学べることは吸収することは本当に大切です。そのことにもっと早く気づけたらよかったなあと今はすごく思います。

私はプライドが高いのか、「一人の自分でいなければならない」という思いがあったのでそのお話は衝撃です。

　それも一つの信念だと思います。でも持つべきプライドと捨てるべきプライドというものがあって。
　つまらないプライドは捨てるべきだけど、プライドを持っておかないと心が折れてしまう時もある。何を捨てて何を持つべきなのかは自分が人生を歩んで行く上で選んでいくしかありません。

　そしてやっぱり大切なことは、「自分」を作る中で人から色々なことを吸収することで、「このプライドは捨てよう」「この思いは持っていないといけない」という風に、自身の中で徐々に答えを見つけていけるんですね。
　それを考えている過程でも学べることは多いです。

　誰もが自分を作らないといけない場面は出てくるけど、「家にいる自分」が本当の私なのか、「会社にいる」のが本当の私なのか、そもそも誰も分からないと思うんです。
　でもその中で確かに言えることは、その幅が広ければ広いほど、いろんな表現力が豊かになるし、表現力が豊かということは、いろんな人がいろんなことを感じてくれます。

　「自分がどう思うのか」という考えじゃなくて、「人が私のこの態度を見てどう感じているのか」という相手の立場に立って考えた時に、いろんな場面で自分を作るということは、人を幸せにすることと繋がるんです。

インタビュアーより

事業展開やお話の内容から、保崎社長のエネルギーや温かいお人柄がとても伝わるインタビューでした。
そして私が特に心に残ったのは、若者へのメッセージでの「自分を作ることは大切だ」というお言葉です。それまで「自分というものは一つでなければならない」と思い込んでいた私にとって、「自分」というものは複数いてもいいんだと、とても心が軽くなりました。それに、今までの自分がいかに一方からしか物事を見ておらず、これからもっと相手の目線に立つべきだということを痛感しました。
それも、とことん人の立場に立って物事を考える保崎社長だからこそ、「自分を作る」ことができるし、またその大切さを知っているのだと気が付き、その柔軟さを私も身につけるべきだと今回のインタビューを通して気づくことができました。

保崎社長、この度はお忙しい中、貴重なお時間を頂きまして誠にありがとうございました。

菅　茉里奈

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