現在の会社を始めるまで、どのようなお仕事をされていましたか。

　前職は家具メーカーに勤めていました。その会社にはカスタマーサービスのスタッフとして入社しました。

　ある日、「販売促進の課を作る」と社長に言われ、社員二人だけで進めることになりました。そこでカタログの撮影のため、家具のスタイリングを数多くするうちに、「家具って面白いかも。スタイリング次第で家具の見え方や雰囲気が代わり、工夫のしがいがある。」と思うようになりました。

　そして、経験を重ねることで「そういう仕事が好きだな」と思うようになりました。

前職での経験が今の事業に繋がっているのですね。起業に対する不安はなかったのですか？

　起業は私の中の延長線上にありました。
　前の会社で新しい部署を立ち上げるなど、「何もないところから何かを立ち上げる」経験していたので起業に抵抗はありませんでした。

ホームページで「社会にもっと貢献していきたい」と書かれているのを拝見したのですが、独立されて社会の貢献の仕方は変わっていきましたか？

　私が会社に所属していたとき、権限を持つ機会はあまりありませんでした。「自分の能力を最大限に生かせているかな？」と疑問に思うことが多かったです。

　「もっと人に伝えることができるし人の役に立つことができるのに」という歯痒さを感じていました。
　しかし会社という組織の中にいたら、人間関係など色々あって（笑）そうではなく、もっとベクトルを外に向けてお客様を大切にしていきたいと思いました。

　そのためにも経験をフルで生かし、自分の得意なことを掛け合わせていかないと通用しないな、とも考えていました。

自分の得意なことを掛け合わせ、能力を最大限に生かす、ということを聞くとメリットしか感じないのですが、逆に起業で大変なことはありましたか？

　バッティングするとトラブルが起こると思っていたので、前の会社の人脈を極力使いませんでした。
　人脈を使わないしお金もほぼない。まさにゼロからのスタートでした。

　まず始めたことは、知見があったネットショップの立ち上げです。商品の仕入れは東京に10日間ほど滞在し、展示会を自分で回り取引先を見つけていきました。
　まさに手探りの状態でした。いざオープンしてもはじめは知り合いの人などが買ってくれたもののあとはあまり売れない、という状態が続きました。

　低迷していた中、今まで行っていなかった営業をかけよう！と思った矢先のコロナ禍。思うように動けず、会社の存続のために借入を追加でお願いしよう、と思っても銀行からは冷たい言葉を言われお金もない。

　「もう生きるのギリギリかな」と思うところまで追い込まれました。

壮絶ですね…。そこからどう軌道に乗せていったのですか？

　コロナが流行る直前の1月に参加した異業種交流会でたまたま出会った人から、月日が空いた5月に住宅のコーディネイトを依頼されました。
　その人をきっかけに、どんどんお仕事をいただけるようになって、そこから一人で、半年で30件もの依頼を回していきました。

　その経験が自信にもなりましたし、会社のメインをネットショップからコーディネーター業の方向に振るきっかけになりました。
　今も営業という営業はしてなくて、数珠繋がりにお仕事を依頼していただくことがほとんどでとてもありがたく思っています。

お仕事をされる上で嬉しかったことを教えてください。

　プランを自分が提案することもあるのですが、そういうときに「思った通りだ！」と言っていただけることがあり、特に喜びを感じています。

　「この人に任せておけば大丈夫」と思ってもらえる、頼りにしていただけることが嬉しいです。
　 これからも私もお客様の理想の空間づくりの力になれるよう、頑張っていきたいです。

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